03. 黒き女将の宿

『Geiz(ガイツ)【強欲】』NA:Sascha



「宵闇の風に揺れる、愉快な黒いぶらんこ…」CV:Revo

ぶらん。ぶらん。風吹きゃ ぶらん。
踊るよ、黒いぶらんこ……。

「君は何故この境界を越えてしまったのか。さぁ、唄ってごらん」CV:Revo


おらは貧しい村に生まれ いっつも腹を空かせてた
お菓子で出来た家があったら あったら本当に良かんべな
(おらはまずすう村に生まれ いっづも腹をすぐせてた
おがすででぎた家があっだら あっだらほんどぉに良がんべなぁ)

「人は信仰によってのみ救われる」と
(人はすんごによってのみすぐわれると)

偉い坊さんが言ったとさ 本っていうのに書いたとさ
神様が助けてくれるなら たらふく飯(おまんま)食えっぺな
(偉い坊さんが言っだどさ 本っでいうのに書いだどさ
神様が助けてぐれるなら たらふぐおまんまぐえっぺな)

お父達は鎌を手に 出かけて行った
その日の空の色 哀しい程に朱(あか)く……
(おとおたづは鎌を手に でがげて行っだ
そのひの空の色 かなずうほどにあがぐ……

「村のために!うぅ!」
「これも、全て家族のためだ、みんな、行くどー!」
「必ず帰ってくるからな」
「心配さぁするでねぇぞー!」
「別れはいつか訪れるもんだぁ」
「大変だー!ナダラギが近くまできたどー!」
「なに!?お前ら行くぞー!」

「ゲーフェンバウアー将軍に、続けェ!」

「おおー!」

大砲が吼えりゃ「翼もないのに」 人が空を飛び「軽やかに高く」
戦争とは名ばかりの 唯の殺戮(さつりく)さ

嗚呼 武器が農具じゃ「残念だけれど」 射程が短か過ぎた「残酷なほどに」
戦争とは名ばかりの唯の殺戮さ

村の働き手は 結局その殆どが 二度とは帰って来なかった……


「そしておらは、遠くの町へと……売られた」CV:REMI
(そすておらは、とおぐのまづへと…売られだ)


年齢不詳。性別も不詳。出遇えば不祥。正に人生の負傷。
胡散臭い女将が、夜な夜な暗躍する宿屋。
その名を【黒狐亭】という!
『Von Unbekantem Alter und Geschlecht.』NA:Sascha
(フォン ウンベカンテン アルター ウント ゲシュレヒト.)
『Begegnungen verheisen Pech.』NA:Sascha
(ベゲーグネン フェアハイセン ペヒ.)
『Ein Leben ist’s mehr schlecht als Revht.』NA:Sascha
(アイン レーベン イスツ メア シュレヒタ アルス レヒト.)
『Der Gasthaus der Wirtin "黒狐亭".』NA:Sascha
(デア ガストホフ デア ヴェアティン "クロギツネテイ")


「薹(とう)が立って久しい、クソババアが独り。
図太く生きてゆくには、綺麗事ばかりじゃ……ないわよっ!」
「愛した男は、皆儚く散った。
運が悪いのか、時代が悪いのか……」

客「おう、邪魔をするぞ」
「邪魔するなら帰れ」CV:REMI
客「んな?!」
「嗚呼【Mäntzer(ミュツァー)】は気高く、
【Hutten(フッテン)】は華麗で、
【Sickingen(ジッキンゲン)】は、嗚呼、誰よりも――激しかったわ♡」

「おがみさん、おがみさん!おい、クソババア!」CV:REMI
女将「な~にぃよぉ」CV:Jimang
「お客様がお待ちになってやがりますでよ」CV:REMI
女将「もうぅ、うるさいわねぇ!今せっかく良いところだったのにぃ!」CV:Jimang
客「んん?あのなぁ…」

「あんたのような田舎っぺ、
「なっ!?」
拾ってやったのは、
「んあ?」CV:REMI
何処の誰かしら?
口の利き方にゃ……気をつけなさいっ!」
「わーがったっつってんべ」CV:REMI

「さぁさ、旦那、どうぞ。温い麦酒[Bier(ビーア)]は如何?」
客「うーん。おーっとっとと。」
「うめぇだよ」CV:REMI
客「おぉそうか 麦酒ね。成程。うん、よし貰おう! 」
「自慢の最高な肝臓料理[gute Leber Kochen(グーナレバーカッヘ)]、ご用意致しましょう」
「あー!ちょい失礼っ!」CV:Jimang
「おぉう」CV:REMI
客「こら!」

宵闇へ 飛び出した 女将を睨み
客は怒り おらは平謝り
(宵闇へ 飛び出すた おがみをにらみ
きゃぐはいがり おらは平謝り)
客「こら!おいおい、どうなってるんだ!仮にもここは酒場だろ?」
「あんれぇ 何馬鹿な事言ってんだぁ?、ここは宿屋だぁ。すまねぇなぁ」CV:REMI

――そして小一時間後…

空気読まず 出戻った 女将の手には
贖罪の 新鮮な食材
(くうぎ読まず 出戻った おがみのでには
しょぐざいの すんぜんなしょぐざい)
女将「はぁはぁ みなさぁん、お待た~」CV:Jimang
客「出た!何処いってた?!」
女将「産地直送の、レバーよぅ」CV:Jimang
客「おお こりゃ凄い!」
「あんれ」CV:REMI
女将「おーっほっほっほ…」CV:Jimang

その味に 怒り狂った客も 機嫌を直した
その事で 味を占めた女将の 暴走は続く……
(そのあずに 怒りぐるったぎゃくも機嫌をなおじた
そのごとで 味をすめた女将の 暴走はつづぐ…)
客「いやぁー、旨かった!これは素晴らしい!」
「んだんだ」CV:REMI
客「いやぁ、こんな田舎でこんな料理が食えるとは!はははは!」
「こんな田舎で悪かったな」CV:REMI
女将「おーっほっほっほっほ!」CV:Jimang
「屍体が無いなら作ればいいじゃなーい?おらもう嫌だぁ、貧しいのはぁ…ひもじいのはぁ…あんな惨めな思いはぁ、もういやあああぁー!」CV:Jimang

「必死に生きたけど、ロクなことがねぇ。結局人生って何だべ…よく分かんねぇ……」
(必死に生ぎだげど、ロクなごとがねぇ。けっきょぐずんせいって何だべ…よぐわがんねぇ……)


「成程、其れで君は吊るされた訳だね? 残念ながら身に覚えのない罪で。
其れが事実であれ、虚構であれ、奪られたものは取り返すものさ。
さぁ、復讐劇を始めようか…」 CV:Revo


とんとん とんとん 扉をとんとん
とんとん とんとん 扉をとんとん
とんとん とんとん 扉をとんとん

躍るよ黒い

「おらの肝臓を返せ…」CV:REMI

ぶ ら ん こ

女将「ぎゃああああああぁぁぁぁ!!」CV:Jimang


「楽して儲けようとしても、中々上手く行かないものだねぇ」CV:Revo
エリーゼ「アンナ杜撰(ずさん)ナ計画、上手クイク方ガ可笑シイノヨ。ウフフフフフ!!」CV:藤田咲






TOP
宵闇の唄 火刑の魔女 黒き女将の宿 硝子の棺で眠る姫君 生と死を別つ境界の古井戸 薔薇の塔で眠る姫君 青き伯爵の城 磔刑の聖女 暁光の唄



inserted by FC2 system