05. 生と死を別つ境界の古井戸
『Trägheit(トレークハイト)【怠惰】』NA:Sascha
「おや 君も落ちてしまったのかい？
初対面の筈なのに、この奇妙な親近感は一体 何処からやってくるのだろうね…。
まぁいい。君は何故、生と死を別つこの境界を超えてしまったのか。
さぁ、唄ってごらん…」CV:Revo
鶏「キッケリキー」CV:Revo
陽が昇り 嗚呼 汗塗(まみ)れ 炊事洗濯全て 私の仕事
嗚呼 意地悪な 寡婦(はは)の口癖
「追い出されたいのかい？この愚図っ！」
なんて言うけれど――
私は今日も お父さん[Vati(ファティ)] 頑張っているよ！
陽が落ちて 嗚呼 塵(ごみ)まみれ 炊事洗濯全て 押し付けた
嗚呼 性悪な 妹の口癖
「言い付けられたいのかい？この愚図っ！」
なんて言うけれど――
私は明日も お父さん[Vati(ファティ)] 頑張ってみるよ！
「父は舟乗りだったのに、何故か井戸に落ちて死んだらしい。
だから私は、あまり井戸が好きではない。
それでも継母(はは)は、容赦などしないのだ……。」CV:Ceui
井戸の傍で、糸を紡ぐ、指先はもう……
嗚呼、擦り切れて緋(あか)い血を出して、
紅く糸巻きを染め上げたから
洗い流そうと井戸を覗き込んだら、
水に焦がれる魚(うお)のように手から飛び出して、
「あああ！」CV:Ceui
その糸巻きは、井戸の底に沈んだ。
悲恋に嘆く乙女[Loreley(ローレライ)]、正にそんな勢いで――
泣きながら帰った私に容赦なく、継母(はは)は言い放った――
「うぇぇぇん…」CV:Ceui
「ただいまぁ…」CV:Ceui
「この愚図っ！潜ってでも取ってきなっ！(取ってきなっ！)じゃなきゃ晩飯は抜きさっ！（晩飯は～抜きさっ！）」
道急ぐ背中に、宵闇が迫っていた……
『drei…zwei…eins(ドライ ツヴァイ アインス)]』NA:Sascha
「どうしよっ、お父さん[Vati(ファティ)]！最悪、そっちに行きます！セイッ！」CV:Ceui
「なるほど、君も中々健やかに悲惨な子だねぇ。
復讐に迷いがあるのなら、時間をあげよう。
この教会の古井戸の中で、もうしばし、
憾みについて考えてみるといい」CV:Revo
目覚めれば綺麗な草原。
幾千の花が咲き誇る。
異土(いど)へ至る井戸の中で、衝動(イド)を抱いた男(イド)に遇って、
彼の指揮で憾(うら)み唄った。私は――
死んじゃったの？天国なの？気の【ceui(セイ)】なの？分からないわ。
大丈夫！でも私は頑張るよ！お父さん[Vati(ファティ)]、何時だって！
「こまっちゃった。あたしを、ひっぱりだしてぇ。ひっぱりだしてぇ。
もう、とっくのむかしにやけてるんだよぅ」
「マジでぇ？」CV:Ceui
「こまっちゃった。ぼくを、ゆすぶってぇ。ゆすぶってぇ。
もう、みんなじゅくしきってるんだよぅ」
「わお！」CV:Ceui
喋るパンの願いを聞いて
シャベルで全部 掻き出してあげたわ
イエイ！
そして――
ひとつ残らず 実が落ちるまで 林檎の木を揺らし
その後――
散らばる林檎を 積み上げるだけの 簡単なお仕事
フゥー！
【ベース】Base!(バース)
しゅびどぅびどぃびどぅー
【ギター】Gitarre!(ギターレ)
【ピアノ】Klavier(クラヴィーア)!
【ありがとう】Danke schoen(ダンケシェーン)!！
ホレおばさん「元気のいい娘だね…」CV:井上あずみ
「キャー！」CV:Ceui
ホレおばさん「ほっほっほっほーっほっほっほ！怖がらなくていいのよ？」CV:井上あずみ
「あっ！貴女はひょっとしてあの、おとぎ話によく出てくる、Holleおばさん！？」CV:Ceui
ホレおばさん「まぁ、口の悪い娘ね。おばさんじゃなくて、お姉さんとお呼びなさい」CV:井上あずみ
「形あるモノは、いつか必ず崩れ、
命あるモノは、いずれ死を迎えるのさ
これまで、よく頑張ったね。お前は強い娘だね。
でもこれからは、私のもとで働くなら、きっと幸せになれるわ！」
「うんっ、私頑張るっ！」CV:Ceui
嗚呼 綺麗に舞い散る羽毛(はね)ぶとん はねぶとん 振るうのが新たな私の仕事
嗚呼 地上に舞い落ちる雪の花 雪の花 降るのは灼(あらた)かな私の仕業
「キミが、もし冬に逢いたくなったら、私に言ってねぇん♡」
「あいたっ！」CV:Ceui
ホレおばさん「これ！調子に乗るんじゃありませんっ！けれどまぁ、貴女も今日まで陰日向なくよく働いてくれたわ。
帰郷の願い、特別に叶えてあげましょう。ホレ！」CV:井上あずみ
「うわぁ…！」CV:Ceui
大きな門が開くと 黄金(きん)の雨が降ってきて
あっという間に 全身 覆った……
「それは君の働きに対する報酬だ。まぁ、遠慮なく貰っておき給え。
もっとも、君の勤務態度が不真面目だった場合、別のものが降ってきていたのかもしれないがね…」CV:Revo
鶏「キッケリキー！うちの、黄金(きん)のお嬢様のお帰りだよぅ」CV:Revo
「ただいまぁーっ！」CV:Ceui
日が替わり 嗚呼 黄金(きん)塗(まみ)れ 炊事洗濯全て やらなくて良い！
嗚呼 低能な 継母(はは)の入れ知恵
「貴女も貰っておいで《可愛い実子(ちーちゃん)》！」
妹「うん、あたいがんばる…」CV:石井千夏
なんて言うけれど――
やれるものなら どうぞ 頑張っておいで！
「さぁ、復讐劇の始まりだ！」CV:Revo
鶏「キッケリキー！うちの、バッチィのお嬢様のお帰りだよぅ」CV:Revo
妹「うう…。えっくえっく。」CV:石井千夏
日が過ぎて 嗚呼 瀝青(チャン)塗れ
ほら 怠惰な態度が 貴女の罪よ 自業自得だわ ねぇ――
これからは貴女も 必死に頑張ってみなよ！
妹「やだ！取れない！取れないよ！やだやだやだ取って！取ってよムッティ！」CV:石井千夏
継母「ああ、可哀想に･･･」CV:MIKI
妹「やだやだ！やだやだやだ！」CV:石井千夏
「あら、いいじゃない。お似合いよ、チビちゃん！あははははっ！」CV:Ceui
妹「やだやだ！やだやだやだ！」CV:石井千夏
継母「こんな良い娘が、どうしてこんな酷い目に！？」CV:MIKI
妹「やだーっ！！」CV:石井千夏
「あははははっ…」CV:Ceui
「今回は随分とかわいい復讐だったねぇ」CV:Revo
「アラ、一生チャン塗レナンテ、女ノ子ニトッテハ死ヌヨリ辛イ罰ダワ！アッハハハハ！」CV:藤田咲
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