06. 薔薇の塔で眠る姫君


『Hochmut(オウモォルト)【傲慢】』NA:Sascha


「呪いと祝いの境界。乙女が堕ちた闇。深い微睡(まどろ)みの中。」CV:Revo
「薔薇の塔、眠る姫君。 君は何故、此の境界を超えてしまったのか。
さぁ、唄ってごらん…」CV:Revo

微睡(まどろ)みの森に踊る 百の孤独と
月影に蝶は朽ちて 死の夢を見る

【七の罪科[Siebte Schuld(ズィープトゥ シュールト)]】

野ばらに抱かれて 眠る理由(わけ)は――

水浴びた妃(はは)が聴いたのは 身籠もり告げし 蛙(かわず)の声
「お望みの御子(みこ)が、一年経たずに、お生まれになるでしょう」

「まあ…」

歓(よろこ)びて王(父)が催したのは 姫(私)の誕生 祝う宴
黄金の皿が 一枚足りずに 事件は起こってしまった……

【七の罪科[Siebte Schuld(ズィープトゥ シュールト)]】
恋も知らずに 死せる処女(おとめ)が
ズィープトゥ シュールト
野ばらに抱かれて 眠る理由(わけ)は――

「おおー、よくぞ参った」CV:中村悠一
「よく来てくれました」
「お招きいただき光栄ですわ、陛下。姫様へのお祝いに、美徳をお送り致しましょう」CV:沢城みゆき
「わたくしは美貌を」CV:沢城みゆき
「それではわたしは富を」CV:沢城みゆき
「では私からは―」CV:沢城みゆき
アルテローゼ「あーらこれはこれは、皆様お揃いで。今宵もご機嫌麗しいようで、結構ですこと。
おっほっほっほ! まったく、いい面の皮だね!」CV:MIKI
「失礼な!」CV:沢城みゆき

「国中に散らばる、神通力を持つ賢女達を全て、招いておきながら…
私だけ招かぬ傲慢なる王よ、祝いの宴席に呪いを添えてやろう!」

「姫が抱く運命、僅か余命十五年。
紡錘(つむ)にさされて、床に倒れて、死ぬがいい!」

「いいえ―」

「《十三人目の賢女[alte rose(アルテローゼ)]》よ。不吉な言の葉。退けよう。
百年。死んだと見せて、寝台の上、唯、眠るだけ!」

「ならば、どちらの力が、上回っているか、嗚呼、流る時のみぞ識(し)る……」

アルテローゼ「十五年後が楽しみだねぇ、アプリコーゼ」CV:MIKI
アプリコーゼ「うふふ。どうかしら?」CV:井上あずみ
アルテローゼ「おっほっほっほっほ!」CV:MIKI

『朝と夜は繰り返す。
望もうとも、望まざろうとも。
光陰は矢の如く過ぎ去り、大樹にも幾つかの年輪を刻む。
齢(よわい)十五の朝を迎えることとなった、そんな私が……』NA:下川みくに

【七の罪科[Siebte Schuld(ズィープトゥ シュールト)]】
野ばらに抱かれて 眠る理由(わけ)は――

姫「ドキドキだわ…」CV:下川みくに

燭台(しょくだい)の揺れる焔(ひかり) 仄昏(ほの)い闇を照らす 石壁の部屋を廻(まわ)り 古い塔へ上がる
狭い螺旋型(ねじ)の 階段を昇ると 部屋の中 独り 老婆が麻(あさ)を紡(つむ)いでいた

「こんにちは、お婆さん。ここで何してるの?」
老婆「糸を取っておりますのじゃ」CV:MIKI
「じゃあ、それなぁに?面白そうに、ぐるぐる跳ね回っている物!?」
姫「あっ!…なに…んん…」CV:下川みくに
老婆「ひっひっひっひっひ…」CV:MIKI

「なるほど…それで君は、野ばらに抱かれたわけだね。
目覚めへと至る、口付けが欲しいのかい?だが、残念ながら私は君の王子様じゃない。
さあ…もうしばし、運命の相手は夢の世界で待つものさ…」


僕の理想の花嫁は 何処にいるのだろう?
嗚呼 西も東も 北も南も 雨にも負けず 風にも負けず
捜したけれど 見つからない……と思ってた矢先に
素晴らしい 噂を聞いた――

~野ばらの生垣(いけがき)に 抱(いだ)かれた白亜(はくあ)の城
空を望む薔薇の塔 眠る美しい姫君~

嗚呼 唯 野ばら姫の伝説(言い伝え)を 聞いただけで 運命 感じた
彼女こそが きっと僕の 《捜し求めていた女性(エリス?)》なのだろう
ならば どんな困難も 乗り越えてみせよう!

迷いの森の 霧が晴れてゆく
僕を誘(いざな)ってくれるのか?愛しい姫のもとへ
棘の生垣が 口を開けてゆく
僕を導いてくれるのか?愛しい彼女のもとへと――

燭台(しょくだい)の揺れる焔(ひかり)、微睡(まどろ)んだ闇を照らす。
石壁の部屋を飛ばし、古い塔へ上がる。
狭い螺旋型(ねじ)の階段を上ると――
部屋の中、独り、乙女が横臥(よこたわ)っていた……。

「さぁ姫、心の準備は宜しいかな?」CV:Revo
王子「いただきます」CV:鈴木結女
姫「んん」CV:下川みくに
「復讐劇の始まりだ…」CV:Revo

予定調和な王子の接吻で姫が目覚めると、
役割を終えた野ばらは、立ち所に立ち枯れて朽ち果て、
長過ぎる午睡を貪っていた城の愉快な面々も、
何事も無かったかのように、彼等の愉快な日常を再開した。
『Als der Kuss des biederen Prinzen die Prinzessin weckte,
verdorrten die nutzlos gewordenen Wildrosen, und
wo sie einst , blieb Staub allein.
Auch die Menschen im Schlos, die viel zu lange in
tiefen Schllaf verfallen warden,
begannen ihr heiteres Tagewerk als wäre nie etwas geschehen.』NA:Sascha

「聞いてぉ、この頃ホンット眠れなくてさぁ…」
「フン!」
「ギャーッ!」
「なんべん言ったら分かんだ小僧!まじで、ぶっ飛ばすぞ」
「さぁ~、観念なさい子猫ちゃん!」
「もう、ぶっ飛ばしてるじゃないっすか親方ぁ」


【七の罪科】[Siebte Schuld(ズィープトゥ シュールト)]
気高き王女を呪うなんて 傲慢なのはお前の方よ

姫「誰ぞ、アルテローゼを捕らえよ!」CV:下川みくに
「はっ!」
姫「もう二度とこの国の土は踏めぬものと思え!」CV:下川みくに
アルテローゼ「野ばら姫よ、忘れるな!置き土産にもう一つ呪いをくれてやろう…。
フハハハ…ハッハッハ!アーッハッハッハッハ!」CV:MIKI
「来い!静かにしろ」

――そして彼女は、
生まれた姫を森に捨てることとなる……。
『Sie aber nahm. Die neugeborene Prinzessin. Und setzte sie aus in dem Wald.』NA:Sascha

エリーゼ「アレハ転ンデモタダジャ起キナイ女ネ。ウフフフフ!」CV:藤田咲
「御婦人方の矜持(きょうじ)を傷付けると、恐ろしいことになるんだね」CV:Revo
エリーゼ「アラ、当然ヨ。ウフフフフ!」CV:藤田咲





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