08. 美しきもの


君の大好きなこの旋律(メロディ)…大空へと響け口風琴(アーモニカ)…
天使 が抱いた窓枠の画布(トワレ)…ねぇ…その風景画(ペザージュ)…綺麗かしら?

セ(其れは――)
風が運んだ…淡い花弁(はなびら)…春の追想…
綺麗な音(ね)…唄う少女(モニカ)…鳥の囀(さえず)り…針は進んだ→
セ(其れは――)
蒼を繋いで…流れる雲…夏の追想…
綺麗な音(ね)…謡う少女(モニカ)…蝉の時雨…針は進んだ→
綺麗だと…君が言った景色…きっと忘れない…
「美しきもの」…集める為に…生命(ひと)は遣(や)って来る……

君が抱きしめた短い季節(セゾン)…痛みの雨に打たれながら…
「心配ないよ」…笑って言った…君の様相(ヴィザージュ)忘れないよ……


セ(其れは――)
夜の窓辺に…微笑む月…秋の追想…
綺麗な音(ね)…詠う少女(モニカ)…虫の羽音(はおと)…針は進んだ→
セ(其れは――)
大地を包み…微眠(まどろ)む雪…冬の追想…
綺麗な音(ね)…詩う少女(モニカ)…時の木枯(こがらし)…針は進んだ→
綺麗だね…君が生きた景色…ずっと忘れない…
「美しきもの」…集める為に…生命(ひと)は過ぎて行く……
君が駈け抜けた眩(まばゆ)い季節(セゾン)…病(やまい)の焔に灼(や)かれながら…
「嗚呼…綺麗だね」…笑って逝った…君の面影(イマージュ)忘れないよ……


君が生まれた朝…泣き虫だった私は…小さくても姉となった――
嬉しくて…少し照れくさくて…とても誇らしかった……

苦しみに揺蕩(たゆた)う生存(せい)の荒野を
「美しきもの」探すように駈け抜けた
果てしなき地平へ旅立つ君の寝顔
何より美しいと思ったよ……
君の大好きなこの旋律(メロディ)…大空へと響け口風琴(アーモニカ)…
天使 が抱いた窓枠の画布(トワル)…ねぇ…その風景画(ペザージュ)…綺麗かしら?


「私は世界で一番美しい『焔』(ひかり)を見た…その花を胸に抱いて…ロランの分も詠い続けよう…」


「其処にロマンは在るのかしら?」CV:田村ゆかり





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