07. 涙では消せない焔


下線がある部分は歌詞カードに記載はあるが歌われていない部分。

・・・。 ワタシは『《第五の書庫》』から其の地平線に《意識と呼ばれるモノ》を接続した…
【彼女】の暮らす地域では、死んだ子の棺に双子の人形を入れるという奇妙な風習が存在した。 其れは誰が生み出したモノなのか?此の地平には或る種の揺らぎが多く、観測には困難が伴う。 女には出産の経験が在ったが、しかし、其れは死産と呼ばれる哀しい《物語》で在った……。
此の悲劇の結末を左←→右すると予想される《因子》。 ワタシは【彼女】のad921d60486366258809553a3db49a4aを【否定】してみた…
さて。箱の中の猫は、生きているのか? 死んでいるのか? 其れでは、檻の中を覗いてみよう――



『Does sadness really tell among life and death.
The unknown lady who sings across the horizons and links to "Roman".
she is the "Nein".』

仮初(かりそ)めの《焔(ひかり)》が 照らしたこの《貧しい底辺暮らし(せいかつ)》は
口減(くちべ)らし蔓延(はびこ)れど 尚も楽にならず

私達の葛藤が 導いたその《止むを得ぬ最終手段(せいかい)》は――
「《旧体制(アンシャン・レジーム)》薙(なぎ)倒す 洪水よ来(きた)れ!」

長き御代(みよ)に 腐る《絶大なる権力(くさり)》
至尊を《民衆の業(みずからのて)》で 地に落とした……

私達の歴史は 繋いだこの

《地平線の境界を認識出来ない知性では知覚すら出来ない無限に広がる平行世界の内のひとつ(せかい)》は
揺らぎながらも何処へ 向かって往(ゆ)くのだろう?

繰り返す夜に 瑆(ひか)る《数多なる星屑(ひかり)》
子孫へ《至る物語(つながるみち)》を 紫(し)に堕とした……

産まれる時代が違えば? 産まれる身分が違えば?
生き方の 選択が 他に許されたでしょうか?


自由と平等を掲げ 《断頭台(ギロチン)》は血を啜(すす)り続ける
《時代(とき)》のうねり この流れは 何時まで続くのでしょうか?

生 と 死 の狭間(はざま)で 焔(ほのお) は燃ゆる……



「諸君の迅速な行軍の成果により、我が軍は見晴らしの良い丘を抑える事ができた!
我々は帝国軍、栄光の第二師団!ローランサン将軍に続け!」

――と見せかけ 充分敵を 引きつけたら 騎兵は散開(さんかい)
敵も急には 止まれやしない 砲兵が待つ 合図は三回


「アン・ドゥ・トロワ、撃てー!」

単純な戦術も 敵の虚(きょ)を突けば 蜂の巣さ
戦火の中 戦果の手応えに 手が震えた

列強の連合が 飛び火を恐れて 消しに来る

《神聖フランドル帝国(ていせい)》を 《革命によって打倒(ひてい)》し尚
《新たなる支配者(えいゆう)》を奉(まつ)り上げ……

吼(ほ)える《野砲(キャノン) 》空を抱いて
《稼働し続ける(まわりつづける)》丘の上
皮肉を笑うように 
焔 は燃ゆる……


「ちっきしょー!」
「ぐわあ―…!!」


「あら、今回はそういう選択をしたの?
それも賢明かも知れないわね…」

戦場へ向かう... 愛しい影... 気丈な振りして... 見送った...
悲しい程... 朱(あか)い夕陽に... 零れ落ちた... 私の《本音(こころ)》...
見透かす様な声色で...
少女が囁(ささ)いた...


「Ne pas crier, Madame.(ネ パ クリエ,マダム)」

《右腕には菫の姫君(セ・マドモワゼル・ヴィオレット・キレ・ダン・ル・ブラ・ドロワ)》
廻(めぐ)り来る生(せい)に微笑んでくれる娘(こ)よ

《左腕には紫陽花の姫君(セ・マドモワゼル・オルタンス・キレ・ダン・ル・ブラ・ゴーシュ)》
廻(めぐ)り往(ゆ)く死を悼(いた)み泣いてくれる娘(こ)よ


「あら、逆だったかしら?
まぁ、いいわ。貴女の解釈に委ねるわね。
寂しいなら、この娘(こ)達を貸してあげる。
次に逢う私に 【必ず】 返してね♪」

この娘(こ)達に 話しかけると 不思議と懐かしい 気持ちになる
何故なのかしら? 子供の頃の 夢がよみがえる

嗚呼... 親に捨てられた私は それでも愛を夢見た
誰よりも優しい《子煩悩なお母さん(ママン)》になろう
そう... 思ってた筈なのに...


嗚呼... されど現実の私は 子を生(な)す事を《否定(きょひ)》した
誰よりも可愛い《親バカなお母さん(ママン)》になろう
そう... 思ってた筈なのに...


「見よう見まねで作り始めた人形が、 様になってきた頃。
待ちわびた夫は、車椅子で戦地から還って来た。
離れていた時の事。そして、これからの二人の事を。
月が太陽に変わるまで、ゆっくりと話し合った……」CV:RIKKI

この《時代(くに)》に この【第九の現実(じだい)】に 生まれてくる事が
果たして幸せなのか 考える程 判らなくなっていたの...


――なぁ
君が来た朝を 君が行(ゆ)く夜を 迷いながら 傷つきながらも
生きてる《現在(いま)》を そして その《未来(さき)》を
《希望(ひかり)》を諦めず 《肯定する(みとめる)》なら

その子もまた《波乱に満ちた人生(せい)》を愛す... だろう?


けれど... 気付いた時には遅過ぎた...
そう... 子供を生(な)せぬ身体に...
成り果てたのさ… ah...ah...ah...

――いいえ... それでも... アナタは生きている...

そうだ!そうよ!
まだ終わりじゃない!!!

な ら ば

歓(よろこ)びに揺れたこの《革命の時代(ひび)》を
哀しみに濡れたこの《激動の時代(ひび)》を
我らが紡(つむ)いだこの《物語(うた)》を 生まれるキミに繋ごう!

[アナタ/オマエ]を産むのが[【私】/【家内】]じゃなくても... 《宿せなかった冬の子よ(イヴェール)》...
【私達】[アナタ/オマエ]を愛してる[/]!

《平和な時代、豊かな国、愛してくれる人(ふさわしいロマン)》を見つけたなら...
何時か... 産まれておいで...

焔は 廻(めぐ)る



『The choice of bearing
The choice of not bearing
The choice of being born
The choice of not being born
If there is a flame ever extinguished by tears, the future is in the hands of the Laurants.』


lalala... la lalalalala...



「其処にロマンは在るのかしら?」CV:田村ゆかり・能登麻美子





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