05. 召喚という儀式
Vocal:Aramary



『もうひとつの19世紀ロンドン』NA:若本規夫

街角に立ち花を売る 華やかな女達を
切り裂いた《刃物(やいば)》 彼が言うには
「ボクじゃない! ボクがやったんじゃない!!」

――別人格が殺(や)ったと宣(のたま)う《連続殺人鬼(シリアルキラー)》

片面透明鏡(マジックミラー)越しに訊く 和(なご)やかな彼女の名は
「満月(みづき)、アイリーン、ノリコ、鈴々(りんりん)、綾香、etc(エトセトラ)...」←56重人格

――多重人格の暫定的な《記録保持者(レコードホルダー)》

豪華絢爛(ゴージャス)に飾られた 闇に近い大使館
向かい合った二人の 初老を過ぎた男女
紳士は手に紳士杖(ステッキ) 淑女(しゅくじょ)の方は車椅子
その後ろで黒衣の 男が凛と睨む

「…移民との共存には、ルールがある!」
「…むしろ、ルールに従わないのは、あなた方のほうだ!」
「…私たちは、契約を容認していない!」
「…だから、先日申し上げたでしょう!? 『宣戦布告』だと!」

嗚呼...平行線を辿る議論 交渉虚しく《決裂(ブレイクアウト)》
光側の勢力(the light side) vs 闇側の勢力(the dark side) ...戦いは既に始まっている!(the fight already starts)

失意に濡れている 横顔は誰かと同じ…
殺意に揺れている 横顔は誰かと同じ…

吹き荒れる民営化による 《企業経営再構築的解雇(リストラ)》の嵐
憎悪の海を彷徨う小舟に 手を差し伸べたのは
「殺せば?」という少年の囁き……

民営化が彼を殺すのか? それとも彼が民営化を殺すのか?
(Does privatization kill him or does he kill privatization?)
woh...
民営化が彼を殺すのか? それとも彼が民営化を殺すのか?
(Does privatization kill him or does he kill privatization?) woh...woh...oh...


『――そして男は紳士録を手に取った……』NA:若本規夫






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