02. この狭い鳥籠の中で


四角く切り取られた空 幼き日の私の世界
窓辺に降り立った君は
 月光のように 優しく笑った…

『Marz von Ludowing ⇔ Elisabeth von Wettin
(メルツ フォン ルードヴィング ⇔ エリーザベト フォン ヴェッティン)
運命は結ばれることのない二人を、
無慈悲なその手で引き合わせてしまった…。』NA:大塚明夫


冷たい土の下に 埋められたはずの
歴史の闇の中に 葬(ほうむ)られたはずの
陰の存在

友達が欲しかったけど それがどんな物か 知らなかったよ…

無明(むみょう)の刻(とき)の果てに 暴かれるままの
葦毛(あしげ)の馬の背なに 揺らされるままの
弱き存在


「くっ…」ヴァルター CV:大川透
「もっと急ぎなさい!ヴァルター!」侯妃 CV:沢城みゆき
「御意、しっかりとお捕まりください!ハイヤー!」ヴァルター CV:大川透


鳥籠の中にいる事 それがどんな事か 知らなかったよ…
君に遇(あ)うまでは
(あうまでは) 寂しさの色も(その色も) 愛しさの意味も(その意味も)知らなかったよ…

君は―
嗚呼 私だけの翼(ウィング) 外に広がる世界を
嗚呼 優しい君の瞳(ウィンク)
 教えてくれた


鬱蒼(うっそう)と生い茂る夜の森 足下に綺麗な花を 頭上に星屑散りばめて
二人は笑った…


「ほら見て」メルツ CV:谷井あすか
「わぁ、なに~?」エリーザベト CV:藤田咲
「綺麗なお花。」メルツ CV:谷井あすか
「わぁ、本当」エリーザベト CV:藤田咲
「つけてあげるよ。」メルツ CV:谷井あすか
「本当?可愛くしてね。」エリーザベト CV:藤田咲
「似合うよ。」メルツ CV:谷井あすか
「本当、嬉しい!」エリーザベト CV:藤田咲
「じゃあ今度はあっちへ行こう!」メルツ CV:谷井あすか
「うん!」エリーザベト CV:藤田咲

どんな幸福(しあわせ)な出逢いにも 別離(わかれ)の日がある
そして それは突然訪れる 斜陽の接吻(くちづけ)


「メル、この森にも長居し過ぎました。もうそろそろ…」テレーゼ CV:MIKI
「母上」メルツ CV:谷井あすか
「何かしら?」テレーゼ CV:MIKI
「最後に、せめて友達にお別れが言いたいのですが」メルツ CV:谷井あすか
「わかりました、あの子ならば特別に許しましょう。さあ早く行っておいでなさい」テレーゼ CV:MIKI
「はい、行って参ります」メルツ CV:谷井あすか
(※DVD版のみ・テレーゼ「闇を背負うのは私で終わり。あなたは光の中へおゆきなさい。」)

「せめて私の代わりに、この娘(こ)を一緒に連れていってね」

「メル、絶対、絶対迎えに来てね」エリーザベト CV:藤田咲
「ああ…約束さ」メルツ CV:谷井あすか


「森の賢女が魔女として火刑台に送られ―…後に私は、彼の死を知る」エリーザベト CV:Joelle


無情に流れる時がもたらしたものは
嗚呼 君の居ない灰色の季節と 唯 望みもしない婚礼

現在(いま) 水面(みなも)に揺れる面影 すり抜ける過去の幻燈(ひかり)

衝動(イド)は枯れるまで 情欲(いろ)を湛(たた)えるけど
自我(エゴ)は知っている 《彼以外もう愛せない》と


狭い鳥籠の中 翼(きみ/かれ)を亡くした この世界で
地に堕ちるその刻(とき)まで 月光のように 羽ばたいて
みせよう…


『「弱き者、拒絶され、世界から虐(しいた)げられた者同士が、
傷を舐め合っただけの幼い恋だと、キミは笑うだろうか?」』NA:大塚明夫

『やがて疾(はし)りだす → 夜の復習劇 → 【第七の地平線】 → 物語は続く…』NA:大塚明夫



「さあ、お父上がお待ちです」CV:大川透





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