04. 澪音の世界


『荒れ果てた野を 一人の少女が往(ゆ)く
正確には一人と一匹 少女の右手には赤い紐
その先に結ばれたる首輪もまた赤く
黒銀の毛並みを持つ犬は 小さく吠えた
飼い主たる少女『澪音(れいん)』に語りかけるかのように・・・』NA:Jimang

豪奢(ごうしゃ)な廃墟に転がり 冷たい雨に怯える
輝ける名誉も権力(ちから)も 今ではもう過去の所有物(もの)


『観測とは事実の側面を抉り取る刃物(ナイフ)
その男は果たして...何を得...何を失ったのか・・・』NA:Jimang

奪いし物は奪われ 斯(かく)して世界は廻(まわ)る
降り止まない雨の向こうに 何色の空をみる

代償(リスク)を背負うほど 加熱する駆け引きは
全て失くすまで気付かない 度(ど)し難(がた)い自我(エゴ)の下僕(しもべ)・・・

空虚な廃墟に転がり 冷たい雨に震える
帰る場所も待ってる人も 今ではもう過去の支配領域(ばしょ)


『推測とは事実の背面を削ぎ落とす刃物(ナイフ)
その男は果たして...何を見....何を悟ったのか・・・』NA:Jimang

奪いし者は奪われ 斯(かく)して時代は廻(めぐ)る
降り止まない雨の向こうに 何色の空がある

運命を捩じ伏せ 従える心算(つもり)でも
未来(とき)を掴もうと伸ばした その腕では短か過ぎた・・・

閉ざされた少女の瞳が開かれし瞬間(とき)世界は
幻想し得る最悪の狂夢(ゆめ)を...残酷な死神(かみ)を見る・・・


「澪音の世界」CV:Aramary

『『死』とは...精神(こころ)に先行して
まず肉体(からだ)に依存する感覚から朽ち果てるものらしい
なればこそ人間は散々忌避し逃避を企てながらも
招かれざる死の冷たい接吻(くちづけ)に耐え得るのだろうか・・・

絶え間ない恐怖感が雨となり降り続けるという幻想
それは...生きながらにして精神(こころ)を壊されてゆく苦痛
硝子球のように透き通った永遠の合わせ鏡
罪人は少女の瞳の中に唯『世界』を見るという・・・

百聞は一見に如(しか)かず 千聞とてまた然り
憐憫(れんびん)...侮蔑(ぶべつ)...的外れな嘲笑・・・謂(い)わば対岸の火事
燃えるまでは熱さ解らず 燃えてからでは遅過ぎる
この世界で何人(なんぴと)が罪を犯さずに生きられると言うのか・・・』NA:Jimang

「澪音の世界」CV:Aramary

閉ざされた少女の瞳が開かれし瞬間(とき)世界は
幻想し得(う)る最悪の狂夢(ゆめ)を...残酷な死神(かみ)を見る・・・

薄氷色(アイスブルー)に煌く瞳が鮮やかに朽ちる世界と
堕ちてゆく狂夢(ゆめ)に唇を重ねて...残酷な死神(かみ)になる・・・


『地に蔓延(はびこ)りし我ら罪人の群れ
願わくば...君が澪音(れいん)の世界に囚われないことを・・・』NA:Jimang





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